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アトピー性皮膚炎は治らないのか

~「しっかり使って、計画的に減らす」治療の考え方~

お子さんがアトピー性皮膚炎の治療を続けているのに、「良くなったと思ったら、また悪くなる……」というサイクルを繰り返していませんか。皮膚の見た目で塗り薬を塗ったりやめたりしていませんか。薬が無くなってから、医療機関を受診していませんか。
アトピー性皮膚炎は、お子さんによくみられる「かゆみを伴う湿疹」を繰り返す病気です。だからこそ、その治療には患者とその家族に任せるのではなく、「医師と保護者のみなさまとの二人三脚の連携」が何よりも重要になります。

耳を痛がる子どものイメージ

. 症状が出やすい部位と年齢の関係

アトピー性皮膚炎の症状は、年齢とともに変化していく特徴があります。
乳児期(0〜1歳頃):  頬やおでこなど「顔」を中心に湿疹が出やすく、次第に頭や体へと広がることがあります。ジュクジュクとした赤みが目立つのが特徴です。
乳幼児期以降:  首、ひじの内側、ひざの裏など「関節の曲がる部分」に症状が出やすくなります。かゆみが強く、かき壊しを繰り返してしまいがちです。
学童期以降:湿疹が慢性化しやすく、皮膚がゴワゴワと硬く、分厚くなってしまうことがあります。
※症状には常に「波」があります。季節の変わり目の汗や乾燥、風邪、疲れ、ストレスなどをきっかけに、一時的に悪化することがあります。
 
※症状には常に「波」があります。季節の変わり目の汗や乾燥、風邪、疲れ、ストレスなどをきっかけに、一時的に悪化することがあります。

.治療方法と塗り薬の役割

アトピー性皮膚炎の治療では、「今ある炎症をしっかり抑える治療」と、「良い状態を長く維持する治療」の両方を組み合わせることが大切です。
保湿剤: 皮膚のバリア機能を助ける
肌の乾燥を防ぎ、外部の刺激から守る土台を作ります。症状が落ち着いているときも、毎日継続して塗ることが重要です。
ステロイド軟膏: 今ある強い炎症を抑える
赤みやかゆみなど、激しい炎症を「火消し」のようにしっかり抑えるためのお薬です。不十分な量だと、かえって再発や慢性化の原因になります。
モイゼルト軟膏など:良い肌状態をキープする
ステロイドとは異なる仕組みで炎症を抑え、良い肌状態を維持するためのお薬です。再発予防や、長期的なコントロールに使用します。

※治療失敗の最大の原因は「自己判断での中断」です。見た目がきれいになっても、皮膚の奥にはまだ「炎症の火種」が残っています。急にお薬をやめるとすぐに再発してしまうため、肌の状態を見ながら、医師の指示のもとで少しずつ回数を減らしていく(コントロールしていく)ことが成功の近道です。

.皮膚の状態が急に悪化した場合の対応

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が弱くなっているため、細菌やウイルスによる皮膚感染症を起こしやすくなります。特に注意が必要なのが、「伝染性膿痂疹(とびひ)」と「カポジ水痘様発疹症」です。以下を認める場合は、医療機関を速やかに受診してください。
急に赤みや発疹が広がった
水ぶくれ、じゅくじゅく、黄色いかさぶたが増えた
痛みを伴う発疹がある
発熱やぐったりした様子がある

.長期的な見通し

アトピー性皮膚炎は、適切な治療を行うなかで、生じる部位や症状の程度が「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながら、成長とともに徐々に改善していく病気です。
一方で、元々の「乾燥しやすい肌質」や「刺激への弱さ」は残ることがあるため、毎日のスキンケア(保湿)を習慣として続けていくことが大切になります。
これからは「悪くなってから慌てて治す」のではなく、適切な治療によって「良い状態を当たり前に、長く維持する」ことを目標に、一歩ずつ進んでいきましょう。
ケアの方法やお薬の減らし方で迷ったときは、いつでもお気軽にご相談ください。